ネットで旅行記を読んでいたら過去に行った旅の記憶がフラッシュバックしてくる。

思い出すのは遺跡などの観光地ではなくて町並みや風景、それに人だ。

アウランガーバードまでの30時間近く乗った列車、じゃれてきて寝させてくれない隣の席の女の子。
シェムリアプの市場の匂い、アンコールを案内してくれたチャーチャとバミホ。
バンコクの夜に迷い混んだ迷路のような裏道。
北京で仲良くなった張とその仲間たち。
メコン川で俺たちに必死に手を振ってくれた子供たち。
蘇州で軒先で立って飯を食っていた水路沿いに暮らす家族。
エローラでバイクの後ろに乗せてくれた草を売ってるあんちゃん。
安徽古民家郡の英語が出来ないのに外国人用ガイドの楊さん。
黄山の宿にいた朝青龍、舞の海、曙、高見盛にそっくりな女の子たち。

そのほか色々な人達。

当時はあっという間に過ぎていった時間が、今になってかけがえのないものだったと気づく。
ほとんどの人とはもう会うことはないんだろうが、これから先もっといろいろな人と出会うことになるんだろう。

台湾ではどんな人と出会うのか、どんなものが見れるのか、楽しみだ。

今年の旅行の打ち合わせがしたいとの事でN山と近場のファミレスに行く。
打ち合わせとは言っても特に話し合わなければいけないこともなく、いつものようにだらだらと話す。N山も打ち合わせと言うのは口実でただ適当に話したかったらしい。

そこでせっかくなので将来のユーラシア陸路横断旅行の実現に向けてプランを練る。

ルートとしては
タイ→(ミャンマー、マレーシア→シンガポール)→カンボジア→ラオス→ベトナム→中国→(モンゴル)
ここから
(1)パキスタン→インド→(ネパール、ブータン、バングラディッシュ、スリランカ)→パキスタン→イラン→トルコに抜けるルート、
(2)ネパール→インド→(ブータン、バングラディッシュ、スリランカ)→パキスタン→イラン→トルコに抜けるルート、
(3)カザフスタン→(ウズベキスタン、キルギス、トルクメニスタン、タジキスタン)→イラン→トルコに抜けるルート、
を考えてみる。
ミャンマーがなければ中国→東南アジア→インド→パキスタンと楽なルートが取れるのだが、現在ミャンマーは通り抜け出来ないので大きく迂回して行かなければいけない。これから先、情勢が変わることを期待(実はもう変わっている可能性あり)。無論、アフガニスタンも通れないと考えて良いし、パキスタンも今後さらに危険になる可能性がある。

プラン1が今の所本命。イランから中央アジアに寄り道するのもあり。問題は危険なパキスタンを2回通ることか。、
プラン2が最も無難なルート。問題は中国の最西部に行くのが大きなロスになること。カシュガル方面は非常に行きたいので実はかなり問題。
プラン3はかなり変則的。中央アジアのスタン系のビザや通り抜けがいまいち良くわからない上にインド方面、パキスタンにいけない。その代わりルート上のロスは一番少なくて効率良く抜けられる気がする。これから先インドやネパールは行く機会があるだろうし、スリランカやバングラディッシュは行かなければいけないと言うほどでもない。今後のパキスタンの情勢によってはこのルートも要検討。

ちなみにスタン系7カ国の覚え方。
アフガンとパキは有名なのでいいとして、残りを「加藤タキ」と覚える。
カザフ、トルクメニ、ウズベク、タジク、キルギス

その後も話ははずみ、実際問題としていつ行けるかという話になる。当然資金が必要で最低200万以上は欲しいところだが、今の調子で生活していたのでは絶対貯まらないのは目に見えている。かなり生活を変えないと行けないが、休みの旅行やスキー、ゴルフを辞めることは出来ない、となると俺の生活を一番圧迫している酒を辞めるしかないわけだ。
完全に禁酒なんてできないんで少なくとも
「飲み会の回数を減らす(平日に飲まない)」
「一回に使う金額を減らす(2次会に行かない)」
「一人で飲みに行かない(家で飲む)」
この3つを頑張ってみようと思う。

さて、今週末は台湾に酒を飲みに行くわけだが。

唐突に旅に出たい衝動に駆られることがある。

昔、なんで旅をしたいのか考えたことがある。
そのときは好奇心、あこがれ、人とのふれあい、そういった理由で俺は旅に出る、決して現実逃避や癒しを求めて行くんじゃない、俺が旅をしたいのはもっと崇高な理由だ、と思っていた。あるいはそう思おうとしていた。

今、改めて正直に自分の衝動を考えてみる。
もちろん、知らない土地や人、建物、自然、歴史を見たい、その場所に行きたいと思う。でも多くを占めるのは逃避願望だ。

旅に出るとほっとする。誰も自分のことを知らない、やらなきゃいけないこともない、仕事のことも、金のことも、他人のことも考える必要はない。
ただ見たいものを見て、話したい人と話す。束縛するものは何もない。
自由だ。

結局俺は怠けたいだけなんだろう。本質的なところは引きこもりと同じだ。

これの衝動はきっと、嫌になるほど旅をしないと終わらないだろう。

自分を変えるために旅に出たいとは思わない。
でも旅をすれば何かが変わるとは思う。

仕事明けに旅仲間N山と飲みに良く。毎回のことだが彼に旅行の計画を全部任せているんで、それの確認を兼ねて。
GWはフィリピンということは決まってたんでNWの62240円ってので承認。エジプトが20万超え、アテネが15万ほどだったことに比べたらかなり安い。問題は治安と何を見るかって事なんだが。そこは引き続きN山に調べてもらうことにする。

俺とN山では旅行のスタンスが少し違う。
N山は世界遺産を観ることが目的なので、旅行中の目的地や日程、交通手段なんかを綿密に調べて計画を立てる。俺はもちろん世界遺産も行きたいんだが、目的はむしろその過程で、人や町並み、文化、食の方に興味があるのでそういった文化方面の雑学を調べたりする。
N山もそういった方面に興味がないわけではなく、お互いの「目的地」と「その過程」に対する比重が少し違うだけの話なのだが。
計画中はN山が提案をして俺は知識でサポートしつつ調整する、旅行中はN山がバックアップしつつ俺が積極的に動く、二人の得意分野が違う為に互いにフォローしあえる。
良い旅仲間というのはただ単純に気が合うと言うだけじゃないんだなーと言う話。

夏はヨルダンに行く予定だが、航空券が取れるかが微妙との事。エミュレーツは冬のヨルダン(結局中国になった)、GWのエジプト(結局フィリピン)の時も取れなくて悔しい思いをしてるんで、今回は今から動いてもらっている。これで取れなかったりしたら、いったいどういう手段を使えば取れるのか、わからない。

旅は恋、とか気持ち悪いことを語りつつ、そのまま始発まで旅話。