神々の山嶺

2004年2月16日 読書
ISBN:4087472221 文庫 夢枕 獏 集英社 ¥724

夢枕獏の神々の山嶺を読了した。旅行記物が好きでいろいろ読み漁ってきたがそろそろ読む本もなくてってきて、そんなところでこの本を手に取った。
夢枕獏はあまり読んだことがない。イメージ的に俺好みの本を書かなそうな気がした。
山岳小説も、読んだことがない。自分に縁がないから。
この本を手に取ったのは舞台がネパールであることと、どこかのサイトで旅本として紹介されていたからだ。

主人公深町がカトマンドゥの古物屋で偶然見つけた古いカメラ、それは登山家ジョージ・マロリーがエヴェレストに初登頂に成功したのかと言う謎を解き明かすものだった。カメラを縁に出逢った孤高のクライマー羽生。彼の目指すものはエヴェレスト南西壁冬季無酸素単独登頂という途方もないものだった。

カメラ、カトマンドゥ、羽生の過去、そしてエヴェレスト。エヴェレストに吹きつける風や温度まで描写しきる作者の表現力に圧倒され、まさに自分が今エヴェレストに挑んでいるかのような臨場感を得ることが出来る。そしてその行為がいかに困難かと言う事も。
登山に関してまったく知識がない俺にはいったい何故山に登るのかと言うのが理解できなかった。
「そこに山があるからだ」(ジョージ・マロリー)と言うような曖昧なものではない答えを、この本は解き明かそうとしている。熱く、泥臭い、ストレートな登山家の想いを感じることが出来る。

読んでいて心が奮い立つ、そんな本だ。

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